アーティスト・トーク「Perfume inspired by ライゾマティクス」議事録

・[2014/1/5] 質問コーナーでLEVEL3ツアー演出のヒントになるであろうQAがあったため、公開当時はあえて伏せておいた内容を、ツアー終了に伴い追記しました。(※分かり辛いですが、該当部分を太字にしています。)観客を巻き込む演出=ザイロバンド的なものだと予想してましたが、3Dスキャンを指していた模様。

・他の参加者の方々が綺麗に簡潔にまとめてるものがありますが、こっちはできるだけトークの内容をそのまんま記録することに専念したものです。非常に長いですが、貴重なイベントの記録として残しておきます。
・とはいえ、割と勝手に補完しちゃってたり、聞き間違いがあったり、誤字脱字があったりすると思いますので、お気づきの点があれば@acubi_までご指摘お願いします。


・濃密な内容に興奮しっぱなし&一心不乱にタイピングしてた&MacBookをずっと膝に乗せてたことによる熱で、終了したときは汗だくでした。
MIKIKO先生、顔小さかった。
・このためにはるばる大阪から来て良かったです。ほんと胸いっぱい。


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アーティスト・トーク「Perfume inspired by ライゾマティクス」
日時:2013年9月28日(土)午後2時
会場:ICC 4階 特設会場
出演:真鍋大度MIKIKO関和亮
司会:畠中実(ICC


畠:3人の出会いについてお聞かせください。
関:アクターズスクールに通ってまして、、、
(場内大爆笑)


―関さんとMIKIKOさんの出会い
関:MIKIKOさんとはPerfumeの初めからですよね。
M:そうですね。関さんとはビデオレターを通じて。ニューヨークに住んでた頃に「チョコレイト・ディスコ」の振り付けのために。
関:3人に振り付けを伝授するためにハンディカムで撮ったものをVHSで送ってくれて。マネージャーさんが気を利かせて僕に送ってくれたんですけど、部屋着姿の女性がひたすら踊ってるんですよ(笑)。
M:1人づつね。
関:そうそう。「じゃあ、のっちやりまーす」って(笑)。どんどん夜は明けていくし。あー、この人がMIKIKOさんなんだーって。
M:で、その後、現場でお互い会った感じですね。


―真鍋さんと関さんの出会い
真:2007年頃のクラブイベントで偶然一緒になって。僕がDJで、関くんがVJをやってた。でも当時は挨拶できなくて。その後、2008年に関くんがライゾマの実験スペースに来た時に初めて挨拶したんだよね。
関:知り合いから面白い人がいるから紹介したいって言われて。会いに行ったら、なんか顔に電気流してる人がいて、変な人だなあって(笑)。
関:実は当時、オペラシティ近くの吉野家の裏に住んでて、アイデアを探しによくICCに来てたんですけど、その時に展示してましたよね?
真:2004年くらいですね。
関:そういうのもあって、僕もメディアアートに興味があった。当時、ラップトップで音楽やったり、プログラミング生成だとか注目されてた時だった。
真:でも、そういうプログラミング的なの既にやってましたよね?
関:「コンピューターシティ」のMV作るときに、自分でプログラミングしてやってましたね。


―3人の出会い
関:当時、一緒にTシャツを作ろうっていう話をしてたんですよね。
真:客に光るデバイスを渡して、ステージ側から制御する、っていうのをライゾマチームがやってて。ステージから制御する光るTシャツとか。あとは、画像分析を使って、MVでやってることをリアルタイムでやってみよう、とか。
関:「Baby crusing Love」のMVで、玉の軌跡を立体に起こすっていうのをコンピュータグラフィックスでやってたんですけど、それをLiveでリアルタイムで再現したら面白いんじゃないかとか。いろいろ提案をしてくれましたね。
M:それを私は関さんからプレゼンを受けてたけど、当時は最先端過ぎて、、、(笑)。さっきの光るTシャツとか、CDジャケット上でARで3人を踊らせよう、とかね。


(コンピューターシティのMV鑑賞)


関:撮影した映像に編集で文字を入れるとなると1フレームづつ処理するので、すごい時間かかるって言われて。じゃあプログラミングでランダムに文字を表示させるようにしようと。


(真鍋氏がMaxを使って即興でプログラミングをはじめ、似たようなエフェクトを再現。すごい!)


関:僕はお遊びでプログラミングしたんですけど、真鍋さんと出会って、これからはこの人に頼めばいいんだって思いました。メディアアートってインタラクティブな側面もあるので、MVだけじゃなく、ライブの演出で使ったりとか、プログラムがひとつの作品になって楽しめるようになったらいいなって思ってました。


畠:真鍋さんは在学中からPerfumeのこういった側面に着目してて、アピールしたいと思ってたんですよね?そのきっかけが関さんと出会ってからってことですか?
真:IAMAS(※国際情報科学芸術アカデミー。真鍋さんが通っていた学校。)ではビタミンドロップの頃に既に盛り上がってて、周囲からすごい勧められてたんですけど、最初はちょっとピンと来なかった。で、その後、コンピューターシティのMVを見た時に面白いなと思った。映像から入った感じですね。


真:MIKIKOさんと会ったのは、代々木のディスコ!×3の時ですね。
M:ディスコ!×3の開場中の音楽を幻想的な感じにしたいって関さんに相談したら、澤井(妙治)さんを紹介されて。で、真鍋さんも付いて来た(笑)。
真:本当は澤井くんしかお願いされてなかったんだけど、僕もどうしても携わりたくて泣いて頼んだんですよ。
関:真鍋さんが遅刻したから、あのLiveの1曲目聴けなかったって澤井さんが言ってたよ。
真:(笑)
M:それが初めての出会いで、その後、true(※ダムタイプメンバー藤本隆行と振付家白井剛が、舞踏家、コンテンポラリーダンサー、そしてインディペンデントで活躍するプログラマーと共に作り上げるマルチメディアパフォーマンス、だそうです)の公演ですね。その公演で、ダンサーにセンサーを付けて、リアルタイムで体から音を出すということをやりました。
真:それをPerfumeに付けるのはどうかって提案したくて、無理を言ってMIKIKOさんと話す機会を作ってもらって、OKを貰えたんです。
M:確か関さんに紹介されたんですよね。
関:俺、仲介がんばったもん(笑)。
M:で、真鍋さんってどんな人なんだろうと思って検索したら、顔に電気流してる映像が出てきて、あー、これヤバイ人だ、って(笑)。
真:思ってたんだ(笑)。
M:うわー、どうしようと思いつつも関さんの紹介だし(笑)。


YouTubeで「electric stimulus to face」鑑賞)


関:まぁ、これが出てきて「よし、これでいこう!」にはならないですよね(笑)。


―ライゾマとPerfumeの出会い
M:その2年後、東京ドームでLiveをやることになって、普通じゃない面白いことをやりたいって悩んでたら、関さんやマニュピレーターをやってる(飯塚)啓介さんが、真鍋さんという人が面白いよって言われて「あー、あの人か!」って(笑)。で、勇気を出して電話をしたら、たくさんアイデアが出てきた。その中で実現したのは、光る風船と、レーザー銃であ〜ちゃんが撃ったら風船がリアルタイムで割れるのと、「Perfumeの掟」の映像ですね。
真:僕らが制作で使っているツールの開発者のザッカリー・リバーマン氏に参画してもらって。


(当時制作班が情報共有してたGoogleドキュメントを公開。ライゾマチームが実演してるビデオ(ボツ案含む)をいくつか公開。)


真:当時の僕らの提案では、衣装を光らせるには周囲が暗いことが前提だったが、三田(真一)さんが入って、明るいとこでも成立するようになった。
M:Spring of LifeのMVでやっと出来ましたね。光る衣装はドームの時もやりたかったんですけど。
畠:案が出てから実現するまで時間がかかってるんですね。
M:そうですね。アイデアが出た時にやってれば新しかったんだろうけど今さらやってもねえ、という理由でボツになったアイデアもたくさんあります。プロジェクションマッピングも全然誰もやってない頃に紹介されてた。
畠:アイデアが飛びすぎててOKが出なかったことも?
M:Liveスタッフにプレゼンすると、初モノが多くてリスクが高いと判断され、OKが出るまで時間がかかってしまい、結局間に合わなかったものもあります。真鍋さんがやっていることの凄さを伝える私のプレゼン力が未熟だったのもありますかね。
真:リアルタイムの映像やるってなると、既存のLiveスタッフが担当しているシステムにも変更が必要だったり、大変でしたね。


畠:ドームから3年経って、状況は変わってきましたか?
M:Perfumeというアーティスト感、ブランド感が確立してきたから、あえて近未来的なことをできるような雰囲気に最近なってきた。ドームの頃は、衣装光らせすぎたらベタ過ぎるかなぁっていうのが自分の中にはあったんですよ。で、Eleven Play(※MIKIKO先生とTomomi Yoshimuraによるダンス・カンパニー)で先に実験をしてから、Perfume側に提案をするっていう段階を踏めるようになったのと、私がプレゼンの仕方を学んだことと、ライゾマの実績が上がってきていたこと。お互いが良い感じに歩み寄れるようになった気がしてます。


Perfumeメディアアート
畠:ライゾマがPerfumeに応用しているものって、メディアアートの世界では90年代頃から確立されてて、アート寄りの舞台芸術っていうのはPerfumeがやっているようなことを先鋭的な表現としてやってたんですよね。
真:edgeの演出を見て、アートの世界で1000人規模でやってるようなことを、こんな大きなステージでやってる人達が日本にもいるんだなぁって。Massive AttackとかU2はマッチョすぎる演出が多いのに対して、Perfumeは人とのインタラクションな演出が多いですよね。
M:自分の中でエンタメの側面から見てもアートの側面から見ても面白いものにしたいとは思ってます。わかり易すぎてもいけないし、ファンに迎合しすぎるのもダメだし。ただ、今まではどうしても限界があったことが、真鍋さんたちの力を借りることで実現できるようになりました。
畠:そのバランスって難しくないですか?
関:3人っていうのがやりやすいんですかね?何十人といるグループとかいるじゃないですか。
(場内ザワザワ)
関:特定のグループについて言ってるんじゃないから!(笑)
M:3人という制限があるからっていうのは確かにありますね。


―ライゾマとPerfumeの出会い(再び)
真:3人に初めて会ったのは、ドーム用の3Dスキャンをしたスタジオですね。
畠:あれはKinectではなく、自分で開発したもの?
真:あれは工業用のカメラなので、映像用途には作られていないんですよ。


Perfumeの3人が寝転がって「3」の文字を作っている映像が流れる)


関:3人もよくやりますよね(笑)。でも3人もこれがどうなるんだろうっていつも楽しんでますけどね。


畠:アイデア(理想)が先にあって技術が出てくるのか、技術からアイデアが生まれるのか、どっちですか?
真:打ち合わせメモを見たら分かるかも。


(7/31の「MIKIKO先生とのミーティング記録」が映し出される)


真:MIKIKOさんが演出の提案する時は技術の話は一切していなくて、ライゾマに下りてきた時に何を使うかを話す感じです。
畠:「今までは振り付けを頑張れば出来てたけど、それに加えて、ライゾマのテクノロジーと合わせる打ち合わせが必要になってきて、練習すればなんとかなる、というのではなくなった」とPerfumeがインタビューで答えてましたけど。
関:大変だと思いますよ。でも、他と何か差をつけるとか、新しいことをやりたいとなれば、やることが増えるのは当たり前なんですよね。


Perfume Global Site Project
畠:Global Siteの在り方は今までになかったものだと思っていて、いわゆるアイドルとは、身体や顔で特徴づけられてるものなのに、Perfumeの場合、それを取っちゃって、フリのデータだけにして、それに全然関係ないキャラをくっつけていて面白いですよね。


(Global Site Project紹介の映像(カンヌで流してたやつ)が流れる)


真:撮影データ、3Dスキャンデータ、モーションキャプチャデータはその後使わないのが勿体なくて、みんなで使ったら面白いのではと思った。
関:MV作るときも、素材だけ撮るから誰か編集してみたいな、みんなで作ったものを合わせようみたいなのを企画するんですけど、肖像権の問題でできないんです。
真:今回のようなデータ配布は匿名性が高いので少しゆるくできるんですよね。
M:振り付けに著作権がないからね。
関:ないの?
M:ないでしょ?
関:だってこれ(ピンクレディーのUFOのフリをしながら)勝手にやっちゃダメでしょ(笑)?
M:そのあたりはグレーなところなんだと思う。
関:今回なぜOKしたんですか?
M:データを配布すると面白いですよって言われて「ふーん、そうなんだ」って感じで。
関:あー、騙されたんだ(笑)。
M:ここまで盛り上がるとは思ってなかったですけどね。
関:Perfumeの肖像を使ってないのに、すべてがPerfumeになっているってすごいですよね。
真:で、これって本人が踊ったらどうなるんだろうって期待させて、最後に本人たちが踊っているのをWorld Tourのオープニングで見せるのをゴールにしましょう、ってなったんです。
畠:通常は3人が踊ってるのありきで、それをファンが振り真似するんだけれど、最初はデータのみで、本人たちが踊っているのは最後に見せるという逆パターンですよね。3人になりたいという同一化願望をクリエイターという別のクラスタにアピールしている、狙いの変え方が面白かったですね。


―質問ドロップ(Twitter上で事前に受け付けていた質問に対するトーク)
Q:コレオグラフィ、映像/写真、メディアアート…お三方はそれぞれの手法やアプローチでPerfumeの世界観をさらに深くかたちにされてきましたが、お互いの制作のプロセスを見ていて、ここが同じアプローチだな、若しくは違う視点だなと感じることはありますか?
M:中田さんも関さんも、それぞれの制作の前に打ち合わせは一切しないですよね。出てきた曲に対して、自分はこういう風に捉えて振り付けします。関さんはこういう風に捉えてディレクションします、っていうやり方が面白いですね。


Q:ライゾマ展、各展示の解説テキストの分析が絶妙です。これはどなたが書かれたのでしょうか?
畠:ライターさんに書いてもらったものに、僕がメディアアート的な観点で追記しました。


Q:真鍋さんと関さんは、映像等を作る際に振付を覚えるのでしょうか?
関:なんとなく真似して、いつもMIKIKOさんに怒られるっていう(笑)。
真:何回見ても覚えられない。
関:僕、直々に指導してもらったことあるんですけどダメでしたね。
真:ポーズ一つ一つ取っても難しい。実はライゾマのメンバーがPerfumeのポーズをして3Dスキャンしたやつをフィギュアにするっていうのを今やってて、来週から展示するんです。誰得なんだっていう(笑)。
真:あと、「だいじょばない」の振り付けが付く前に、World Tourの打ち上げで僕がフリースタイルのダンスを披露したんですけど、それに影響受けて作られたんじゃないか説があって。違ったみたいですけど(笑)。
(場内爆笑)


Q:Perfumeだけだった昔とは違い、今は皆さんの様なプロフェッショナルの方々が集まってのPerfume、というような印象を受けるのですが、その中での「Perfumeらしさ」ってなんだと思いますか?
M:今は3人がやれば何でもPerfumeっぽくなると思ってるので、こうやらないと、っていうのはあまり決めないようにしてる。
畠:さっきの話で、振り付けのデータだけで、どれが誰だかわかるっていうのが「らしさ」に繋がったりもしますよね。
真:お辞儀で誰が先に頭を上げるのか、とかね。完全に数値化されてますからね(笑)。


Q:ライゾマにとってPerfumeの三人ってなんですか?どんな存在ですか?
真:ライゾマは元々ファンだった人が多くて、PTA会員も4人いますし。なので、楽しんでやってる人達が多いですね。その辺は皆さんにばれてますけど(笑)。


Q:Perfumeへの、ここまで凄い演出、映像表現、最新技術の応用具現化の「みなもと」は、どこにあるのでしょうか?MIKIKO先生、関監督、真鍋シャカ兄様に質問致します。
M:ちなみに、シャカ「あに」?「にい」?
客:にい!
畠:すみません、シャカ兄ってなんですか?
関:(真鍋さんが椅子にかけていたシャカシャカを取って、シャカシャカ音を立てる)これです。気に入ってよく着てたよね。
(場内爆笑)
真:源、、、気合いですかね。


Q:休日(オフの時間)などは、どのようにすごされるのでしょうか?
M:そもそもオフがあまりないですね、、、でも寝るのが好きです。
関:家族で過ごします。
真:寝る、ですね。
関:寝なさすぎだったもんね。


Q:新しい技術を知っていても、それを芸術的な表現に実現させるには、創造力や想像力が必要かと思いますが、Perfumeへの表現は、技術が先ににあり、応用を考えるのか、先にイメージがあり、それを実現させるために技術を探すのでしょうか?
M:イメージが先だと思う。私の漠然としたイメージをライゾマチームに渡すと、「出来ないことないんで出来ますよ」って。
真:YCAM山口情報芸術センター)とかは逆ですよね。ライゾマから技術ネタを持っていって、これでどういうダンス作品を作れますかっていう。
M:曲と技術ネタだけ与えられてね。
関:普通そういう発注はないよね。


Q:映像を撮る上で、Perfume三人それぞれ、「彼女が被写体ならこういうものが撮れる」という個性を感じられていると思いますが、是非それをお聞かせいただけないでしょうか?
関:見た目も性格も全然違う3人なので、それが出せるように心掛けてますね。振り付けもそうですよね?
M:はい。


Q:グローバルサイト等で行ったクリエイティブなユーザ向けコラボは今後も行う予定はありますか?
真:機会があればやりたいです。ダンスコンテストは僕らも毎回応募しようと思ってるんですよね。
(場内爆笑)
真:カレンダーとかに書いてたけど、忙しくなっちゃって練習ができなくて(笑)。


Q:(ある質問に対するお三方のリアクションが意味深でしたので、今後のお楽しみのためにここは自主規制しておきます)


Q:ライブ会場で客席を巻き込む的な演出をする予定はありますか?
関:どうですか?
M:それは、、、どうですかね?(笑)
(3人顔を見合わせる。会場内何となく察してどよめく)
関:ざわざわざわざわ(笑)


Q:クリエイティブな目標が明確に見えていて、それを達成したくとも、コスト(経済的、人的、時間的な)が見合わないときはありますか?また、その場合はどう対処されるのでしょうか?
真:本当に面白いものには突っ込んじゃうことはあります。
関:気合いですね(笑)。


Q:御三方とも演出というものに対して、デザイン以上の意味合いや面白さを含ませているところが素晴らしいと思うのですが、その点において意識していることや理念などがあったら教えて頂きたいです。
関:受け取り側の想像力だと思うので、あまり言わないようにと思ってます。
M:みなさんが各々ストーリーを巡らせているのはこちらが楽しい。


Q:MIKIKO先生にとっての、会心の振り付けは、どの曲のどの部分でしょうか?
関:(「シークレットシークレット」の振り付けをしながら)僕はこういうやつ。
M:???
関:ほら、僕が踊るといつもこういう反応なんですよ(笑)。
M:振り付けは、全体のイメージを決めてからディテールを落とし込んでいく。自分が踊ってて楽しいのを考えていて、制作姿は見せられない(笑)。
真:僕は「だいじょばない」。
関:さっきからそればっかり(笑)。
真:あの挑発的な感じが好きです。
関:あと「edge」もですね。
(これ、結局MIKIKO先生の回答得られず、、、でしたよね???)


Q:曲の振り付けをPerfumeに教えるときにPerfumeの意見によって振り付けを変えたりしますか?
M:3パターンの内どれにするか悩んでる時に3人に選んでもらう、ということはあります。
関:逆にヤダって言われたことは?
M:ないです。
真:ライブの演出に合わせるために大変な時あるよね。やたら3人が大股になってたり。
M:うん、それが可愛いなぁと思って(笑)。


Q:作品を作る上でお互いが刺激を受けたりしますか(詳細な質問内容がメモれてませんでした、、、)?
関:振り付けを見てMVの内容を変更することは多々あります。
M:MVの撮影時はサビだけ出来てたり。「1mm」の場合は、あえて歌のところを踊らないという関さんから提案があって、イントロ・間奏・アウトロだけ振り付けして、後から完成したMVを見ながら、歌の部分の振り付けを作ったりしました。


Q:そもそもPerfumeプロジェクションマッピングをやろうと思ったキッカケは何だったんでしょうか?
真:MIKIKOさんから演出の提案を受けてですね。Nosaj ThingのMV(※Eclipse/Blueですね。これめちゃめちゃかっこいので必見です!)でやったものをPerfumeでもやりたいと。
M:World Tourやカンヌは大きな会場じゃないからこそできる演出を考えて、プロジェクションマッピングを提案しました。


Q:WT2 IntroやJPNスペシャルのようなプロジェクトの企画段階で、MIKIKOさんから中田さんに楽曲制作について具体的な要望を出しますか?また、プラン、演出、振付、衣装など、どのような順番で決まっていくのでしょうか?
M:「JPNスペシャル」の時に初めて中田さんと打ち合わせをしました。クラブの控え室で。「ヤスタカはそこしか時間取れないから」って言われて(笑)。で、プランを持って行って説明したら、すごい理解が早くて、あ、実は賢い人なんだって思った。
(場内爆笑)
M:中田さんが出してくる例えがイメージ通りで、打ち合わせもすぐ終わりました。
M:World Tour 2ndのイントロの曲(「私たちはPerfumeです…」のやつ)は中田さんではなく、江原寛人さんという方が作りました。


Q:Perfumeよりもそれ以外の企画の方がテクノロジーが表に出た演出をしている気がします。Perfumeを演出するにおいてこれ以上はやってはいけないという線引きのようなものがあるのでしょうか?
真:そこの判断は僕らではなくMIKIKOさんに任せている。なので、例えば3人の顔に電気流したいってMIKIKO先生に言われればやりますよ(笑)。


―まとめ
畠:Perfumeのこれからの展望は?
関:根本は昔から変わってなくて、この3人を使って何ができるかを考えていて、そのひとつとしてライゾマという集団が加わってきた感じ。もっといろんな人にいろんなモノを見てもらいたいと3人も思っているので、その力になれるように頑張ります。
真:精進します(笑)。


真:僕らが関わっていないところもあるので、そういうところは普通にファンとしてCD買って楽しんでます。
関:僕もファンですよ。
M:私もですよ。
関:僕はもう近所のおじさんみたいになっちゃてるんで(笑)。
真:というより、親戚のおじさんって感じだよね。
M:Perfumeのパフォーマンスがより魅力的に見えるために力を借りているが、テクニカルだけが際立ってもPerfumeじゃなくなるので、3人のマンパワーが入って初めて成立するものは何か、それをみなさんがどうやったら楽しめるかのバランスを取りながら研究し続けたい。


畠:ライゾマがPerfumeを触発していくような関係がうまく続いていけばいいなと思っています。
真:精進します(笑)。