コンビニ・ララバイ


コンビニ・ララバイ (集英社文庫)

コンビニ・ララバイ (集英社文庫)


あるコンビニを舞台に、様々な人間模様を描いた短編集。
話ごとに異なる人物の視点で語られているので、つくり的には飽きない。


誰もが何かしらの傷を抱えて、それでも毎日を一生懸命生きている。
そんな普遍的なテーマで、哀しくも心温まる話に仕上がっている。


だけど素直に泣けない。心をすべて委ねて読むことができない。
何かこう、薄っぺらいというかあざといというか。
例えるならオリコン上位にランクインしている近年のJ-POPみたいな。
歌詞が超共感できる〜、とか頭悪そうな若者がほざいてそうなアレ。
誰もが共感できる歌詞=誰もが容易に描ける歌詞、なわけで。
お手軽に感動できちゃう近頃の若者向け、なのかなぁ。


それと、
女にとってセックスが愛の形のすべて。
みたいなことをやたらと強調するくだりがあって、そこで一気に萎えた。
まぁ愛の形なんて人それぞれだからしゃあないんだろうけど。


本の雑誌」が選ぶ2002年度上半期ベスト1。
というコピーの割にイマイチだったなぁ。
期待が大き過ぎた、てのもあるかも。