蛇を踏む


蛇を踏む (文春文庫)

蛇を踏む (文春文庫)

こういうの好き。
文体とか空気感とか。
なんとも言えない色気もある。


さらっと流れる文章の中にどろっとした異質なものが入り混じる。
何とも得体の知れない世界の中にあるリアリティ。


解説の言葉を借りると、彼女の書く物語には「境界がない」ので、
「藪で蛇を踏んで、家に帰ったら蛇が母になっていた」
みたいな出来事を唐突に示されても、
奇をてらった感が全然なく、すっと入ってくる。