Spangle call Lilli line / SCLL 10th Anniversary Live Tour


やり場のない悲しみを流せないまま、雨が過ぎ去った土曜午後の渋谷。
夢のような心地で、夢にまで見た念願の初スパングル@duo MUSIC EXCHANGE。


あんまり演らないがゆえのプレミアム感。
オーディエンスの膨らむ期待。
個人的には、プラス程よい程度の緊張。
ステージ上のスクリーンに映し出された「SCLL」の4文字の白が、それを強調させていた。


決して上手いとは言えない演奏だったけれど、
そこには確かに、CDで見た世界観があった。
B.G.M.のようでいて、しっかり芯をもったグルーヴ。
それに乗っかり、ふわりゆらりと浮遊していくのを覚えた。


途中、まさかのカジ君がゲストで現れ、
一瞬別世界に切り替わったりしながら、一旦小休止。


そして、後半はピアノとチェロ&バイオリン、そしてVJを交えて。
ここからの展開は凄まじすぎて言葉に出来ない(からしない)。
とりわけ、本編最後のnano〜ice trackの流れといったら!


渦巻くグルーブと光の波、
それにリンクして映し出されたスクリーンのエンドロールは、
SCLLの10年間という長編(?)映画が幕を閉じていくかのようだった。
別れ、といった類ではなく、これからまた長い続編がはじまっていく。
そんな風に、幾重にも重ねられた音は放たれた。


その圧力に負けたのか、感動なのか、震えの後、少しウルッときた。


クールで淡々としたステージと客席。
そんなLiveをイメージしていたのに、予想外過ぎた。
後半へ進むにつれての会場全体のボルテージの上昇は手に取るようだった。
曲終わりの拍手とか歓声とか。
抑えることをやめた素直な感情表現がすごく心地良くて、
あぁ、この瞬間この空間にいることに感謝した。


これは是非とも音源化、あわよくば映像化してほしいなぁと思っていたら、
ご丁寧にコンデンサダイナミックマイクがセットされているのを見つけたので、
もしかしたら、という淡い期待をしてみる。