The Top 20 Albums of 2014
今年も良作大量で満足の年でした。
なので、絞りきれずに20枚!上位15枚は簡単なコメントとYouTubeを埋め込むっていう音楽BLOGっぽいこともちゃんとしました。
順不同でどうぞー。
▼蓮沼執太フィル - 時が奏でる
15人編成のフィルオーケストラバンドでありながら、決して重厚なものにはならず、深く広く立体的な音像がひろがる。鳴らされる音のパズルの一つ一つは緻密に適度な寄り添い方で構成されていく様はもはや芸術作品の域。飛び抜けて明るい気分になるわけではないけど、言葉にならない不思議な幸せを運んでくれる名盤。
▼Idiot Pop - UNIVERSE
打ち込み中心の前作までとは打って変わってフィジカルな演奏が多くを占め、多彩なゲストも巻き込んだ結果、まだまだ秘められていたポップセンスが一気に開かれ増幅した傑作。ベースはみんな大好きキラキラダンスチューンながら、90's J-POPな歌メロ、00'sのくるりやスーパーカーあたりのピコピコフューチャーロック、NujabesなHIPHOP×ピアノトラック、近年のエレポップ/ハウスetc、同世代の多くの人があてはまりそうな音楽遍歴を凝縮してパーティー会場に持ってきましたな1枚。
▼Dorian Concept - Joined Ends
ライブメンバーとして参加しているFlying Lotusのカオティックさとは真逆の、繊細できらびやかな透明感あふれる音像。現代音楽的な発想を散りばめたミニマルなアンビエント・テクノ。職人的に構成される緻密なトラックながら、人肌の温もりが自然と伝わってくる絵画のようであり童話のような作品。ジャケットも本人によるコラージュ作品だそうで、彼にとって音楽とビジュアルはボーダーレスであることを物語ってる。
▼Ryan Teague - Block Boundaries
電子音と生楽器が温かくミックスされたキラキラでミニマルなポストロック/クラシカルという個人的大好物な要素に溢れた作品。加えて、これまた一時期ハマっていたインドネシア方面を伺わすペロッグ音階な楽曲もあったり。仄かな明かりのお風呂にゆっくりつかって聴いていると、天井に銀河が広がってくる至福。
▼The Royal Concept - Goldrushed
若干エレクトロを織り交ぜつつな爽やかダンスロックに、アンセム必至のエモキャッチーなメロを甘いハイトーンボイスで歌い上げる。2014年においてまだまだ勢い衰えないベタな組み合わせだけれど、リード曲「On Our Way」を筆頭に、一気に駆け上がって行く熱量に歌い踊らざるをえない。と思いきや、いきなりケニーGのメロウなサックスソロが挿入される曲があったりと、色々痛快で楽しい一枚。
▼Torn Hawk - Let's Cry And Do Pushups At The Same Time
ギターを軸に据えたミニマルなクラウトロック/アンビエント。音の粒は割と粗いというかローファイな感じで、でもそれが独特の空間を作り出してて、長年個人的おやすみミュージックである「Limp」の「Orion」を彷彿とさせる「無機質っぽいのに宇宙的開放感に溢れてる」感じが最高に癒される。
▼ゆるめるモ!×箱庭の室内楽 - 箱めるモ!
楽曲だけじゃなくて活動そのものがゆるゆるすぎて、悪い意味で年相応の若さを感じられないゆるめるモ!が、箱庭の室内楽によるピュアで青春直結な楽曲に乗っかり、見事なまでに化学反応が起きた奇跡のコラボ。シューゲ、ニューウェイブ、ヒップホップ、エレクトロ、ドリームポップ、オルタナロックとおもちゃ箱のような賑やかさが、すべてゆるゆるボーカルでコーティングされ、統一感を出している。モ!単体より断然好きなので、このコラボでの定期的な活動が望まれるところ。
▼Mark Barrott - Sketches from an Island
バレアリックという、「バレアリス諸島のDJがかけるような音楽」というピンポイントすぎるジャンルだそうです。ジャケのイメージそのまんま鳥のさえずりや波の音をサンプリングしつつ、トロピカルでゆるいビートの揺らぎの中で、ここだけは流れる時間のスピードが違うんじゃないかと錯覚するハンモックミュージック。南国っぽい音楽はたくさん溢れてるけど、それらとは明らかに異なる地中海の暑すぎない常温な空気感の気持ち良さは絶品。
▼ODESZA - In Return
なかなか終わりそうにないEDMブームに疲れた人に。クラブ映えするトラックにエモいメロの多幸感はそのままに、淡々としたダウンテンポながら夢見心地な開放感の中に漂う郷愁感。その郷愁感は日本的エッセンスな音色によるものだったりして、まんま日本人の琴線に触れやすいサウンド。
▼きゃりーぱみゅぱみゅ - ピカピカふぁんたじん
中田さんに求める楽曲としては、今のPerfumeより断然きゃりーの方が好き、と言いつつも、年間ベストに入るようなアルバムがなかなか出なかった中での、ようやく会心と言えるアルバム。そもそも天才的なポップセンスで溢れているのに、さらに過剰なまでのキャッチー感を詰め込んでたこれまでと比べ、純粋に楽曲の良さが見える仕上がりになった印象。「きらきらキラー」が素晴らしすぎる。
▼waffles - Coloration/カラレーション
イメージとは裏腹に意外と骨太な演奏をするバンドだったが、今回はとにかくコード進行、転調、アレンジ、演奏、あらゆる面で丁寧に繊細に作りこまれている。ただ、聴き手にはその複雑さを感じさせず、耳へ脳へ気持ち良く入ってくるのはポップス職人芸。シティポップス寄りではあるものの、ザ・シティポップスにはならず、彼らしか出せない良いバランスを保った良作。100万枚売れて良い名盤。
▼Cradle Orchestra & Giovanca - Wherever To
速攻ShazamをDLしてiPhoneかざして調べて即買いしたのは、今のところこれが最初で最後。ソウル、ジャズ、ヒップホップ、クラシックをスタイリッシュかつ人懐こく融かしたようなトラックとボーカル。2014年と言われればそうだし、2000年と言われても2030年と言われても疑わないエバーグリーンな耳へのフィット感。このエントリー書くためにググったら日本人トラックメイカーとオランダの歌姫とのコラボとのこと。日本人素敵やな。
というか、Victorさん、Youtubeにフル尺でupしろとは言わないけど、サビに入った途端にフェードアウトされるトリミングはどう考えてもプロモーションする気ないですよね...
▼OLDE WORLDE - The Blue Musk-Oxen
ハイトーンボイスな男性ボーカルの量産体制が続くここ数年、ほんとに不純物ゼロの中性的で無垢なハイトーンボイスは唯一無二。シンプルなアコースティックアレンジながら高い自由度と多彩な表現力は、春の訪れとともに芽吹く生命のようなワクワク感を見せてくれる。マイペースなリリース間隔も天才っぽさを醸し出してる。
▼toconoma - TENT
この手のインストジャムバンドにありがちな、テクニックに走り過ぎてアルバムを通して聴くと疲れる、といったことはなく(別に下手と言っているわけではない)、ストレートにキャッチーで踊れる楽曲が並ぶ。四つ打ちダンス・ミュージックをベースに、ジャズ、ボッサ、ラテンetcを織り交ぜてポップに仕上がっていて爽快。
▼no.9 orchestra - Breath in Silence
no.9の既存楽曲をギターやヴァイオリン、ピアノといったフィジカルなバンド演奏で再構築。豊穣で美しいサウンドスケープはそのままに、重なりあうアンサンブルは力強く立体的に響き伸びていく。
▼Kalipo - Yaruto
▼Ryan Hemsworth - Alone for the First Time
▼JASON MRAZ - Yes!
▼レキシ - レシキ
▼[.que] - Water's Edge