曽我部恵一 / blue


夏のアルバム。
といってもギラギラした気怠いそれではなく、
夜明けや夕暮れ時に一瞬吹き抜ける風のような涼しさ。


濡れた夏草だったり、部屋のカーテンだったり、
浜辺にたたずむ誰かの髪だったり。
いろんなものを穏やかにさらさらと揺らしながら、
夏の日々を、決して大袈裟でなく耽々と美しいメロディーで綴っていく。


ジャケットデザインからしてアナログ盤を意識した今作は、
いつか青春を捧げたサニーデイにもう一度針を落としたかのような名盤。


あぁこれだ、って思いながらソファに埋もれてうたた寝をする。
カーテン越しに揺れる過ぎ行く今日を感じながら。


blue

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